古代中国と古代ペルシャは諏訪先生の物語には繰り返し登場してくる国である。
「大唐西域記」、「うつほ草紙」、「ひすいの国」、「時の地平線」・・・
イラン神話と歴史書の「シャーナーメ」を下敷きに霊鳥と銀髪の英雄ザールの物語とヘブライの伝説から聖書でおなじみの預言者や天使のエピソードが絡み合う
表紙のイラストがまたすてきなんですね。
二冊とも繊細な唐草模様が美しい、第一巻はペルシャで高貴な色とされている黒を背景に霊鳥とたたずむ銀髪の青年に、第二巻はこれも清らかな白を背景に羽を広げる黒髪の天使ラファエル。
私もこの地域の太鼓の物語が大好きで、よく検索してみたりするのだが、人間離れしているペルシャの英雄もヘブライの預言者も、共に白い肌に精霊のような白い髪を持つという外見的特徴を持っているのだということに気付いた。
「ヨベル書」には大洪水を生き残ったノアが生まれた時の描写がある。
>旧約聖書の偽典の『ヨベル書』によれば、次のとおりである。 第12ヨベルの第7年周にエノクは天使ダネルとイエレドの姉妹の間にできた娘エダニと結婚し第12ヨベルの第7年周の第6年にメトシェラが生まれた。(後女子も生まれた。)
>第14ヨベルの第3年周の第1年にメトシェラは天使エズラエルとエノクの姉妹の間にできた娘エドナと結婚しレメクと娘が生まれた。
>なお同じく偽典『エノク書』には、エノクのもとにメトシェラがやってきて息子のレメクの息子のノアが肌が雪のように白く、バラより赤く髪は白羊毛より白く……天使の子に違いないと相談したとの記述がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%88%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%A9
> 第一〇六章
>01 しばらくして私の子メトセラは、その子ラメクに嫁をとってやったが、彼女は彼によって孕(はら)み、男子を出産した。
>02 彼の身体は雪のように白く、またバラの花のように赤く、頭髪、(ことに)頭のてっぺんの髪は羊毛のように白く、眼美しく、彼が眼をあけると、それは太陽のように家中をくまなく照らし、家全体がいよいよ明るくなった。
>03 彼は、産婆の手を離れて立ち上がると、口を開いて義の主を賛美した。
>04 父のラメクは、これに恐怖をおぼえて逃げ出し、父メトセラのところを訪ねた。
>05 彼は言った。「風変わりな子が生まれました。人間には似ても似つかず、天使たちの子に似ていて、とにかくつくりが尋常でなく、私たちとは違って眼はお天道さまの傘みたいで、顔はキラキラと光っております。
http://www.geocities.jp/rikwhi/riko/enoch_syo.htmペルシャの英雄ザールも、光の精霊の影響で白い髪をもって生まれ、その所為でジン(妖霊)の眷属ではないかと疑われ、エルブルズ山へと捨てられた。
この精霊、ジンというのは旧約に出てくる「神の子」と呼ばれるみ使いと同じ存在でしょう。
この時代のペルシャ・イラン地方はゾロアスター教でしたから善悪二元論で 光の精霊=善神 闇の精霊=悪魔 と区別されていました。
※カブールについて
>カーブル市(カーブルし、ペルシア語: كابل カーブル 英語: Kabul カーブル、カブル)は、アフガニスタンの首都、カーブル州の州都。
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